岸壁の母
菊池章子 Lyrics


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母は来ました 今日も来た
この岸壁に 今日も来た
とどかぬ願いと 知りながら
もしやもしやに もしやもしやに
ひかされて

(セリフ)又 引揚船が帰って来たに
今度もあの子は帰らない。
この岸壁で待っている
わしの姿が見えんのか。
港の名前は舞鶴なのに
なぜ飛んで来てはくれぬのじゃ...
帰れないなら大きな声で...
お願い... せめて、せめて一言...

呼んで下さい おがみます
ああ おッ母さんよく来たと
海山千里と 言うけれど
なんで遠かろ なんで遠かろ
母と子に

(セリフ)あれから十年...
あの子はどうしているじゃろう。
雪と風のシベリアは寒いじゃろう
つらかったじゃろうと命の限り抱きしめて...
この肌で温めてやりたい...
その日の来るまで死にはせん。
いつまでも待っている...

悲願十年 この祈り
神様だけが 知っている
流れる雲より 風よりも
つらいさだめの つらいさだめの
杖ひとつ

(セリフ)ああ風よ、心あらば伝えてよ。




愛し子待ちて今日も又、
どとう砕くる岸壁に立つ母の姿を...

Overall Meaning

The song "岸壁の母" by 菊池章子 tells the story of a mother who keeps waiting at the port for her son to come back from the war. The lyrics start with the line "Mother has come, she came today too" and repeat the phrase "今日も来た", meaning "she came today too", emphasizing the mother's persistent wait for her son to return. The lyrics express the hopelessness and sadness of the mother's situation, as she knows her son might not return but still stands there, waiting.


The song also contains a spoken part, where the mother talks about how her son is not returning with the ship and wonders why she cannot see him. The mother mentions that it has been ten years since her son left for the war, and she imagines that he must be suffering in cold Siberia. She expresses her strong desire to hold her son and keep him warm until he returns, promising to wait for him forever. The song ends with the mother's figure standing alone on the pier, waiting for her son.


Overall, the lyrics of "岸壁の母" portray a poignant, heartbreaking tale of a mother's continuous wait for her son's return from the war. The song is a powerful reminder of the sacrifices made by individuals and their loved ones during wartime.


Line by Line Meaning

母は来ました 今日も来た
The mother came today, just like every day, to this shoreline.


この岸壁に 今日も来た
She always comes to this same shoreline.


とどかぬ願いと 知りながら
Knowing that her wishes may never be fulfilled,


もしやもしやに もしやもしやに
She still hopes for something that may never come


ひかされて
And is drawn to this place.


(セリフ)又 引揚船が帰って来たに 今度もあの子は帰らない。
(Dialogue) The ship has returned but the child did not come back.


この岸壁で待っている わしの姿が見えんのか。
I wait on this shoreline. Will they see me?


港の名前は舞鶴なのに なぜ飛んで来てはくれぬのじゃ...
The name of this harbor is Maizuru. So why can't they come here?


帰れないなら大きな声で... お願い... せめて、せめて一言...
If he can't come back, then at least a single word


呼んで下さい おがみます ああ おッ母さんよく来たと
Please call for me. Oh, mother you came again.


海山千里と 言うけれど なんで遠かろ なんで遠かろ 母と子に
People may say the sea and mountains are far, but not for a mother and her child.


(セリフ)あれから十年... あの子はどうしているじゃろう。
(Dialogue) It's been ten years. What happened to the child?


雪と風のシベリアは寒いじゃろう つらかったじゃろうと命の限り抱きしめて...
In the cold of Siberia, with the snow and wind, the child must have struggled. Embrace them with all your love...


この肌で温めてやりたい... その日の来るまで死にはせん。 いつまでも待っている...
I want to warm them with my own body, and I won't die until that day comes. I will wait forever.


悲願十年 この祈り 神様だけが 知っている
This prayer full of longing for the past ten years. Only God knows.


流れる雲より 風よりも つらいさだめの つらいさだめの 杖ひとつ
This is a fate more painful than the wind or moving clouds. And I only have one cane.


(セリフ)ああ風よ、心あらば伝えてよ。 愛し子待ちて今日も又、 どとう砕くる岸壁に立つ母の姿を...
(Dialogue) Oh wind, if it pleases you, tell my beloved child that today, again, I stand on this same shoreline, even though it's slowly eroding away.




Writer(s): 藤田 まさと, 平川 浪竜, 平川 浪竜, 藤田 まさと

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乾勤

私の父もシベリアに抑留され、行き絶え絶えで帰って参りました。
私は親父が帰って来てから誕生した訳でありますが、
親父は生前中、抑留生活の過酷な状況を涙ながらに語る姿は今でも脳裏に焼き付いております。
約6年間は長かっただろうと思います。
帰ると、両親は既に亡くなり、母親が一人で、乳飲み子、私の姉を抱えながら、一年に二人の葬式を出したとの事。
食べるものもはか食べず家を切り盛りしてきた母親には感謝です。
その後、私が生まれ、りっばに育てあげて貰った両親に感謝です。
そんな、両親も既に他界し、30年に成ります。
私も、来年で古希を迎えます。
親父は戦争で苦労したのだから、せめてもの恩返しと思い、少しでも、社会に恩返し出来たらと思って、警察官の道を選び、定年まで努め上げました。
今は、運輸会社の安全管理を任され、ドライバーの指導に当たっています。
岩壁の母を聞くたびに、親父を思いだし、親父が滅多に愚痴を聞いてあげていた当事を思いだします。
特に、親父が口にしていたのが
・とにかく寒かった事。
零下45度になる日はざららしく、前の晩にしまい忘れた、スコップの鉄が氷り投げれば割れる。
・宿舎のうらの唐松が氷って割れる音が聞こえる。
・黒パン1つで一週間を過ごした事。
・アルコールランプの燃料を飲んで、体を温めた事。
・空腹で蛇やネズミを食べたこと。
・水路の工事との事で働かせられ、結局は自分達が死んだ時に埋める墓を作っていた事。
・目の前で、寒さと飢えでバタバタと死んでいく戦友を目の当たりにした。
どうすることもできなかつた。
事など数え切れない、体験を語ってくれました。
私が生きて動ける間に、父が、口にしていた、
満州鉄道に乗り、ナホトカ、チチハル、ハルピン、ナホトカ、等に足を踏み入れ父の足跡を辿ってみたい
と思います。
長々とごめん下さい。



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atsuko19650330

お歌ももちろん素晴らしいのですが、待ち続けるお母さんたちの映像に涙が溢れました。

ACCORDPLEO11

舞鶴の復元された引揚桟橋や風景を眺めながら菊地章子さんの岸壁の母を聴くと、母の心情が切々と伝わってきます♪

松本幸治

歌声は勿論、歌い方が本当に素晴らしいですね!永久に残して欲してほしい歌と思っています。なんとも言えない記念すべき歌とおもつております。有り難うございました。

Kaze Hagino

菊池さんの独特の抑揚が素晴らしい歌唱です。もはや母性で生きて子供を
ひたすらに探し待つ、悲しい狂乱の母の感情が歌に表されています。

田中正巳

やっぱり菊池さんこそこの歌の歌い手としてふさわしい。二葉さんのは浪曲であり歌としてはきわものでしょう。

夢咲さくら

せつせつとそれでいて純粋に歌う菊池先生の歌唱が良いですね。

大谷明彦

菊池さんの上品さと二葉さんの力強さは私の親の世代から好みの分かれたライバルだったのですが、私は今になってみると菊池さんの淡々とした歌い方のほうがより深く沁みますね。今の若い演歌歌手も歌っていますが、演歌的に上手く歌っているのですが、この歌の内実が分かってないですね。時代が違うので無理もないですが。

藤井圭介

さすが本家の唄、聴くほどに味があり 其のつややかな女性らしい声に聴きいるのみ、 近年の若い歌手の よきお手本になりそう。

HSIA Vincent

時代的眼淚,感人的故事

OKAKURAMINAKO

せつせつと歌い上げる菊池版、振り絞るような二葉版どちらも良いのですが、その間を行くような藤圭子版も素晴らしい。歌手を続けていればきっと後継者になってほしいという声が上がったろうにと思う。

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